山下達郎「夏の陽」1976 RCAレコード「新宿区音楽」がDOWNTWONに拡がりだした〜DJが選ぶ今日の一曲〜

山下達郎「夏の陽」1976 RCAレコード「新宿区音楽」がDOWNTWONに拡がりだした〜DJが選ぶ今日の一曲〜

 

 

1975年というターニングポイント
新宿区音楽というDOWNTOWN・MUSIC
山下達郎・大貫妙子・吉田美奈子 そして坂本龍一

 

これまで何千枚というレコードを聴いてきました。

いわゆるFREE SOUL、渋谷系、rare groovesの時代からクラブDJをやってきました。

そんな僕が、

アメリカ、イギリス、ブラジル、その他さまざまな国々。そして日本。

さまざまな国の、さまざまな時代のレコードの中から、渾身の1曲を選んでお届けするシリーズを始めることにしました。

ということで、

今日の一曲は、

 

山下達郎 夏の陽 1976

 

 

はっぴいえんどの神格化はいつから始まったのだろう

はっぴいえんどの伝説化は、いつから始まったのでしょうか。
1970年代から80年代にかけ、リアルタイムで音楽に密接に関わってきた者としての肌感覚として、
今の圧倒的な伝説化、神格化は、わりと、おっ、と思う部分があります。
たとえば、細野晴臣のフォーストソロアルアバムが、とても高額で取引されていたり、
外国からこぞってはっぴいえんど関連のレコードを日本に買いにきたり。
外国の映画のサントラに「風をあつめて」が使われたり。
もちろん、すごいバンドです。
2020年の耳で聴いても、どのアルバムも、すごく素晴らしく、
たぶん若いヒトたちにとって、こんな素晴らしくモダンな音が、
50年前の日本で作られていたことは、
驚き以外の何モノでもないでしょう。
それは外国のヒトも同じようです。
はっぴいえんどの音が、外国で、再発見されたのが、1990年代。
それまでも、YMO関連で、知る人ぞ知るバンドだったのですが、
日本にはっぴいえんどというバンドがかつてあって、
とてもオリジナルな音楽をやっていた、と広く認められるようになったのは、
やはり1990年代、
世界的音楽ルネッサンス、rare groovesの文脈のなかで捉え直された、と言っていいかもしれません。
それは日本の若いリスナーにとってもそうでした。
日本では渋谷系といわれるrare groovesの嵐の中で、瞬く間にはっぴいえんどは神格化していきました。
それはまさにワンアンドオンリーな感じでした。
翻って、1970年代のはっぴいえんどは、
もちろん、熱狂的なファンはいたのですが、
当時、洋楽も含め、次々に刺激な音が日々、生まれていて、後ろを振り返るヒマはありませんでした。
ですから、はっぴいえんどさえも、過去の音楽、のように、とらえられていたことは、否めません。
本人たちも、まだまだ、新しい音に挑戦していた時代でもありました。
ただ、2020年から見れば、
彼らが、日本の音楽の礎を築いたのは、自明です。
いわゆる港区音楽です。彼ら数人が、日本の音楽の始まりを開いたのです。
ということで、

新宿区音楽

です。
この「新宿区音楽」の主人公は、
はっぴいえんどを中心とした「港区音楽」の住人の、ちょっと下の後輩たちです。
その後輩たちは、はっぴいえんどたち「港区音楽」の住人が、手探りで開墾した畑に、見事な花を咲かせた人々と言えるでしょう。
主人公は、
山下達郎
大貫妙子
吉田美奈子
坂本龍一
です。(異論は、認める…って、2ちゃんか、って、前も言ってた気が…
「港区音楽」の住人が、その先鋭的な感性ゆえに、当時まったくのオルタナティブだった音楽を作り上げたあと、
「新宿区音楽」の住人は、そのオルタナティブさ、その先鋭的な感性に、惹かれ、港区音楽に飛び込んできました。
そう。
1970年代の東京で、そうした化学変化が、凄まじいほど速い時間感覚で、興っていたのです。
吉田美奈子は、細野晴臣に誘われ、
山下達郎は、大滝詠一に誘われ、
大貫妙子は、山下達郎に誘われ、
坂本龍一も、ティンパンに誘われ。
中学の先輩が、自分の後輩を自分のバンドに誘うような感覚で、
または、憧れの先輩のあとを追いかけて、いつの間にか、仲間に入れてもらえた年下、のような感じで。
2020年の眼で見ると、
凄まじい才能の持ち主が、瞬く間に、一瞬にして混ざり合ったのが、1970年代の東京だった、というわけです。
シュガーベイブのファーストアルバムも、
山下達郎のサーカスタウンも、
そうした化学反応の末、生み出されました。
1973年(はっぴいえんど解散)から1975年(シュガーベイブ発売)の2年間は、
たったの2年間なのですが、
まさに、日本音楽文化史上、最高に濃密な2年間であり、
ミラクルであり、
必然であった、ということでしょう。
ところで、
なぜ、「新宿区音楽」???
という、ハテナが3つぐらい
あると思います。
まあ、
例えば、
山下達郎と大貫妙子が集い、シュガーベイブの原型が出来上がったところが、
新宿区四谷にあった、ディスクロード、という喫茶店であり、
また、
山下達郎は池袋、
大貫妙子は杉並、
吉田美奈子は埼玉、
坂本龍一は中野、
ね。
なんとなく、新宿、って感じがしませんか。(異論は…くどい…)

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「山下達郎は、ポップインタイムまでの三作までが最高、と思っているDJは、実は、少なくありません。」

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