今こそ再評価したいワモノ・ライトメロウ「長谷川きよし」DJが選ぶ今日の一曲 

今こそ再評価したいワモノ・ライトメロウ「長谷川きよし」DJが選ぶ今日の一曲

 

*【長谷川きよし】という音楽家の素晴らしさ
*1990年代・渋谷宇田川町
*ワモノレアグルーヴ長谷川きよしの名盤紹介

いわゆるFREE SOUL、渋谷系、rare groovesの時代からクラブDJをやってきました。

さまざまな国の、さまざまな時代のレコードの中から、渾身の1曲を選んでお届けするシリーズを始めることにしました。

ということで、

今日の一曲は、

 

長谷川きよし ティタイム 1972

 

 

 思えば1990年代初頭の渋谷宇田川町は、たぶん、世界で一番音楽偏差値の高い町だったと思います。

とにかく、誰もが、まだ聴いたことのない、

自分だけの音を探して、

来る日も来る日も、365日通い、レコード屋のエサ箱を漁っていました。

そう。

自分だけの音です。

エサ箱のレコードを1枚1枚触りながら、

指先に感じた、微細な直感を信じて、

膨大なレコードの山から、ピン、ときたモノを掬いとる。

何が良くて、何が悪いか、は、すべて、自分の感覚だけ。

100中99は、だいたいハズレ。

いや、1000中999だったかも。

でも、残り1のアタリに出会ったときの喜びは、

経験した者しか分からない、

エクスタシーに、全身が包まれるのです。

だいたい、レコード中毒者はみんな、

そのエクスタシーを、一度は経験しているのです。

だから、その恍惚を、もう一度味わいたくて、

気がつくと、エサ箱を漁っているのです。

そう。1990年代の渋谷は、

そんな町だったのです。

そこから

渋谷系が生まれ、

freesoulが生まれ、

rare groovesが生まれたのです。

ということで、

長谷川きよし

です。

1990年代の渋谷で見つけたレコード。

このジャケットがとにかく素晴らしくて。

「いにしえ坂」(1972年)というアルバムです。

あと一枚、

これも素晴らしいです。

「卒業」(1970年)

これもまず、レコードジャケットにやられました。

そして音。

豊潤で、優しくて、鋭くて、深い音楽。

正真正銘のrare grooves.    light mellow.

あまりの素晴らしさの前では、言葉は無力なのです。

ジャケットも含め、こんな豊潤な音楽が、1970年代初頭に作られていた、という事実に喜び、

1990年代においても、また2020年においても、

いまだ発掘されず、再評価されていないことに、

悲しくなるのです。

「いにしえ坂」という、モノクロのジャケットのレコードに入っている、

「ティ・タイム」

という曲。

「卒業」という、在りし日の東京の景色をとらえたカラージャケットのレコードに入っている、

「卒業」

という曲。

この2曲を聴くだけでも、

長谷川きよしが、いかに天才だったか、

が分かると思います。

ヒトは

なぜ、歌うのか、

そんなことまで考えさせられる歌声なのです。

 

長谷川きよしが聴けるメディアは?

「ティ・タイム」

長谷川きよしの声、ギター、歌詞が完全に溶け合って至福です。

「卒業」

まず、歌詞にヤられます。音楽もメロウネスの極地。これが50年前に作られていたとは。あまりにも豊潤です。

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これ以外のアルバムも、長谷川きよしに駄作はありません。

 

 

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