【2020年最新】今こそ聴きたい甘茶ソウル名曲10選〜sweet soul musicの深い森へようこそ!
さて、甘茶ソウルです。
甘茶ソウル?
新しいスイーツ???
いえ。
ソウルミュージックです。
すごーく甘いソウルミュージックです。
だいたいが、1960年代から1970年代半ばまでにリリースされた、
しかも、ここがけっこう大事なのですが、あんまり売れていない、
例えば、シングル一枚で終わってしまった、
または、とっても広いアメリカの片田舎で、ほんの少しだけプレスされた、いわゆる自主制作シングルみたいなレコードのB面の曲のような。
そうしたレア度満点のものが、甘茶ソウルの王道と言ってもいいでしょう。
2020年の音楽界からは、遠く離れた、そんな音楽。
けれど、2020年の空気のなかで、聴くと、これまたとても新鮮なそんなジャンル。
それが甘茶ソウルです。
今回は、そんな甘茶ソウルの中から、現在も手に入れることのできる曲に限って、その名曲っぷりを紹介していこうと思います。
そもそもソウルミュージックとは
そもそもソウルミュージックとは、いかなる音楽なのでしょうか。
本を紐解くと(ネットで検索すると)、こんなふうに紹介されています。
ソウル(soul)あるいはソウル・ミュージック(soul music)は、ポピュラー音楽のジャンルの一つ。基本的にはリズム・アンド・ブルース(R&B)のジャンルの中に属している。
出典元;ウィキペディア
とは、いえ、これでは、何も語ってないのと同じなので、もう少し深掘りします。
『ポップの世紀』というサイトがあります。
ここには、20世記のポップカルチャーについての論考が非常に多岐に渡って集積されています。
とても秀逸なサイトなので、ぜひ一度覗いてみるといいかもしれません。
その中に、アメリカにおける黒人音楽の歴史についての論考があります。
ソウルミュージックがいかに生まれ、育ってきたかは、上記のブログ、またはさまざまな本、例えば、ピーターバラカン著『魂のゆくえ』(アルテスパブリッシング)などにも克明に書かれていますが、アメリカにおける黒人の哀しい歴史と切り離すことはできません。
ということで、ソウルミュージックをごく簡単に定義すると、アメリカに連れてこられた黒人たちの、本当の魂の音楽、ゴスペル、そしてブルーズ、を白人にもわかりやすく希釈してポップスとして、商業音楽として提示したもの、とでもいえばいいでしょうか。
そして、そうした、いわゆるポピュラーミュージックとしてのソウルミュージックは、1950年代に生まれ、1970年代半ばに終焉した、というピーターバラカンの見方は、僕もそう思います。
商売としてのソウルミュージックは、二つのレーベルによって成し遂げられました。
かつてはR&Bと呼ばれていた黒人向けの流行歌に魅せられた二人の白人が興したアトランティックレコード、そして黒人の音楽を白人にも受け入れられる商売にしたモータウンです。
この二大レーベルによって、ソウルミュージックは1960年代に黄金期を迎え、けれども1970年代には、すでに終焉を迎えました。
ピーターバラカンもいいますが、ディスコミュージック、またはブラコンとは、ソウルミュージックではなく、ただの魂の抜けた何物かでしかない、ということは、僕たちDJは激しく同意します。80年代のレコード音楽の、基本的なつまらなさは、本当に、ずっと経験してきたからです。
とにかく、ソウルミュージック は、あるいはすべての大衆音楽は、1960年から1977年まで、なのです。
考えてみるとたかだか10数年の隆盛だったわけですが、けれどもこの10数年で、世界中の人々の魂を震わせる名曲の数々が生み出されたわけです。
しかも、今でも、実は隠れた名曲が、続々と発掘されています。
それは、発売当時は、あまり日の目をみることのなかったマイナーなシングルであったり、やはりマイナーなアーティストの、たった一枚のアルバムの中に埋もれた一曲であったり。
そうした隠れた名曲を現代の耳で捉え直す運動がレアグルーヴであり、この甘茶ソウル発掘だった、というわけです。
ということで、
ではそろそろ2020年に絶対聴くべき、甘茶ソウルを紹介しましょう。
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堂々の第1位
Kansas City Express 1975 This Is the Place
これです。
1975年、USテキサス、オースティンのローカルレーベルよりリリースされていた7人組ソウルグループKANSAS CITY EXPRESSによる男女スウィート・デュエット激レア・甘茶ソウル秘宝。洗練アレンジと共にしっぽり泣き濡れる絶品。B面インストにまた濡れる。
好調リリースが続いているAOTN(Athens Of The North)サブレーベルOCEAN OF TEARS名復刻。ノーリプレス限定500枚7インチ・ドーナツ盤。絶妙な間合い木琴の響きにもうっとりとしてしまう。
上記のレコードストアのポップのとおり、音の隙間の空気感がとても現代的です。
しかもやはり、なんといっても、ボーカルの声質が魅力的すぎです。
実は、甘茶ソウル界(そんな界があるとすれば)では、どちらかといえば、男性、ファルセット、グループ、ネットリ、というのが王道の甘茶だったのですが、そしてできるだけ、レアなシングル、というのが、至宝、という不文律があったのですが、
もちろん、そうしたものにも名曲はたくさんありますが、
自分としては、コテコテよりも、やや、ドライな方が好み、ということで、あえて、これを2020年度版、第一位とさせていただきました。
とにかく、題名がいいです。
This is the place.
訳すとすれば、
「ここ」
「此処」
この場所。
なんとも、、ミニマムで、深い題名です。
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2020年度版甘茶ソウル第2位
Treat Her Like A Baby 1974 Fresh Flavour
第2位も、女性ボーカルです。
やはり、なかなかいい感じにドライです。
けして男性ボーカルが嫌い、というわけではないのですが、ファルセット、男性コーラス、という王道は、ちょっと食傷気味というか、2020年の空気には、このぐらいのライトさでいいのでは、という感じでのチョイスとなりました。
この曲は、『Rare Collection Buddah de jure soul』という秀逸なコンピレーションCDで知りました。
シングル1枚しか出していない、しかもB面曲、という、なんというか甘茶ソウルの王道をいく出目の曲です。
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