現場から見たプログラミング教育〜MESHを実際に4年生の理科の授業で使ってみた!MESHの操作方法(電源はどうやって入れるの?)

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別記事で2020年現在、現場から見て、最強のプログラミング学習ツールは、MESH + 内田洋行プログラミングスイッチ、という話をしました。

 

今回の記事のポイントは以下です。

MESHの具体的な使い方

4年理科「電気のはたらき」指導案

 

 

 

前記事でも紹介しましたが、実際に4年生とMESHを使った授業を行ったので、そのことと、MESH本体の使い方を少し深掘りします。

 

 

 

4年生は、この授業で初めてMESHに触れたにも関わらず、45分後には、自分なりのプログラムを自在に作るところまでいきました。

 

 

 

 

MESHとは

 

MESHとは、ソニーが開発したプログラミング学習用ツールです。
いわゆるIoT(Internet of Things)ツールで、簡単にいえば、超小型センサーです。

 

 

 

こちらがMESHです。

ちなみに、このセットでこのぐらいの値段です。

 

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MESHの使い方

では、実際に現場でのMESHの使い方を説明します。

 

まず、MESHは、タブレット(パソコン)とセットで使います。

タブレットにMESHのアプリ(ソフト)をインストールします。

するとこんなアイコンが出来ます。

 

 

アイコンをクリックすると、こんな画面になります。

 

 

新しいレシピをクリックします。

するとこんな画面が出てきます。

 

 

ここでMESHの各ブロックとタブレットを接続させます。

 

接続の方法はこんな感じです。

 

MESHの電源の入れ方、消し方

 

まずブロックの電源を入れます。MESHの下半分、色がついていてアイコンがある場所を長押しします。

ここですね。

 

 

長押ししていると、こんな感じで、色のついている下の部分と黒い上の部分の間のところが、ふあっと白く光ります。

これで電源が入りました。

 

ちなみに電源が入っているかを確認するためには、アイコンのところを軽く押すと、間の部分がふあっと、今度は緑に光ります。

 

続いて電源の消し方ですが、電源の入れ方同様、2秒間、アイコンの部分(下の色付きの柔らかいゴムの部分)を長押しすれば、白くふあっと光って消えます。

消えているかを確認するためには、アイコンを短く押します。緑色に光らなければ、電源は入っていません。

ちなみに、MESH公式サイトにはこう書いてあります。

アイコンを1回押した場合

ランプの色はバッテリー残量を表しています。

  • 緑:50%以上
  • 黄:30%以上
  • 赤:30%未満

 

 

2秒間、アイコンの部分(下の色付きの柔らかいゴムの部分)を長押しする

 

 

ブロックとタブレットの接続(ペアリング)

 

各ブロックとタブレットはBluetoothでの接続(ペアリング)となります。

 

 

では実際にペアリングしてみます。

 

まず、こんなふうにタブレットの近くに(上に)ブロックをおきます。

 

右上の「追加」というところを押します。

 

 

 

すると、タブレットがブロックを探し始めます。

 

 

そのうちこんな感じのメッセージも出てきます。

 

 

ただ、これでも探しているわけです。

 

そしていよいよ、、、。

 

という表示が出るので、ペアリングを押します。すると、、、。

 

「なんちゃらブロックがペアリングされました!」と、晴れやかな宣言が出ます。

この写真はLEDブロックの場合です。

 

 

実は、けっこう、このペアリングに少々時間がかかる場合はあります。

ただ、やり方を間違っていない、という固い信念のもと、待ち続けると、いつかはペアリングします。

どうしてもしない場合は、同じ手順をもう一度やってみるのもいいです。

また、違うタブレットとペアリングが完成していないか、を確認してみてください。

というのは、複数のMESHセット、複数のタブレットがある場合で、以前、使用していた場合、その設定が残っていて、違うタブレットとペアリングさせようとすると、以前ペアリングしたタブレットの方といち早くペアリングが確立してしまい、いつまで経ってもペアリングが完成しない場合があります。

ですから、一回ペアリングをさせたMESHとタブレットは、同じ印などをつけておいて、2回目以降も同じタブレットにペアリングさせることをおすすめします。

それから、まれにですが、「新しいMESHブロックを探しています」の画面の後ろに、「ペアリングされました!」の画面が隠れてしまうことがあります。

ですから、あまりにも時間がかかっている場合は、「新しいMESHブロックを探しています」をいったん、キャンセルして、もう一度トライしてみてください。

また、ちょっと目を離した隙に、すでにペアリングが完成している場合もあります。それでもまだ「新しいMESHブロックを探しています」の画面は出ているので、勘違いしてしまうのですが、右側のブロックのところに、充電状況のついたブロックアイコンがあれば、それはすでにペアリングが完成していることになります。

 

ペアリングの確認は

 

ペアリングされたブロックは、2回、軽く押すと、青く光ります。

 

MESH公式ページにはこう書いてあります。

 

・2回押した場合

「MESHアプリを起動している端末」との接続状態が確認できます。
接続されており、電源が入っている場合は青色に点灯します。
接続されていない場合は青色に点滅します。

 

Bluetooth接続(ペアリングしているか)を確認するためには、2回押しをします。

 

きちんとペアリングされていたら、右側のアイコンがはっきりと出ていて、ブロックの充電状況まで表示されています。

 

 

この作業を7回繰り返すわけです。

 

そしてここがけっこう重要なのですが、一度ペアリングしたMESHとタブレットは、次に使うときは、また同じ組み合わせで使うことが大切です。

一度ペアリングしていると、2回目からは、ただ電源を入れるだけで、自動で接続するからです。

だから複数のタブレット、MESHがある場合、ペアリングしたセットがわかるように番号を振るなり、シールを貼るなりして、目印をつけておくことをおすすめします。

 

右上の「追加」を押す。
ペアリングを許可する。
ひたすら待つ。
ペアリングしたMESHとタブレットは2回目以降も同じ組み合わせで使う。(何か目印をつけておくと便利)

 

ということで、これでMESHが使えるようになりました。

 

 

ここで、ちょっと本線から離れて、MESHで一番苦労していることを書きます。

それは、、、

充電です。

ブロックはmicro USB Type-B端子で充電しますが、7個あるので、なかなか充電が大変です。

一度充電してしまえば、けっこう持つのですが、最初は大変です。

しかも、例えば、このMESHが何セットもあった場合、授業に間に合わせるために前日まで充電しておかなければなりません。

授業間近に電源を入れて、充電されていない、と慌てることのないよう、そのあたりも要確認となります。

そこで、けっこう使えるのが以下の充電器などです。

 

 

 

 

 

4年生の理科授業 指導案

 

では、いよいよ4年生で行った授業についてです。

まず指導案は以下になります。

第4学年 理科学習指導案(電気のはたらき)

 

分類B(学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される 各教科等の内容を指導する中で実施するもの)ですね。

 

とはいえ、今回、この指導案をつくる上で、6年生の発電と電気の利用の流れをそのまま流用しました。

4年生においても同じ流れ、同じねらいでMESHでの理科学習が可能では、という考えです。

 

ということで、、、。

1 単元名   電気のはたらき

 

2 配当時数  8時間

 

3 活動時期  6月

 

4 単元の目標及び教材観

本単元では、乾電池の数や回路を流れる電流の大きさや向きと、モーターの回り方や豆電球のようすに着目し、それらを関係づけて電気のはたらきについて根拠のある予想や仮説を発想することができるようにするとともに、乾電池を使ったおもちゃづくりを通して、電気のはたらきに興味・関心をもって追究する態度を育てる。

プログラミング教育との関わりでは、プログラミングによって電気を制御できることを学ぶことで、よりよい社会づくりに生かそうとする態度を育てる。具体的にはMESHを教材として、身近な生活の中で幅広くプログラミングが活用させていることに気付かせ、よりよい社会を構築していくためにプログラミング技術を取り入れていくよさを実感させたい。

 

5  単元の評価計画

ア 知識・技能イ 思考・判断・表現ウ主体的に学習に取り組む態度
①簡易電流計を正しく使い、回路を流れる電流の向きと、モーターの回る向きを関係づけて調べている。

②乾電池の数やつなぎ方を変えると、電流の大きさや向きが変わり、モーターの回り方が変わることを理解している。

 

 

①回路を流れる電流の向きとモーターの回る向きについて予想や仮説を発想し表現している。

②乾電池2個のつなぎ方や、モーターの回り方について実験の結果から考察し、表現している。

 

 

 

①乾電池とモーターを使ったおもちゃを動かすことに進んでかかわり、他者とかかわりながら、乾電池のはたらきを調べようとしている。

②電気のはたらきについて学んだことを学習や生活に生かそうとしている。

③プログラミングを介して自分の考えを表現しようとしている。

 

 

6  単元の指導計画

指導計画評価規準
単元導入電気のはたらき

乾電池でモーターを回して、モーターの回り方を調べよう。

主・態①
第1次2・3乾電池のはたらき

乾電池をつなぐ向きと、モーターの回る向きには、どんな関係があるのだろうか。

実験1 乾電池とモーターの回る向き

思・判・表①

知・技①

4・5モーターをもっと速く回すには、どうすればよいのだろうか。

実験2 乾電池とモーターの回る速さ

思・判・表②

知・技②

6直列つなぎのほうが、モーターが速く回るは、どうしてだろう。

実験3 乾電池と電流の大きさ

まとめ~つなげよう7・8(コアカリキュラム)MESHを使って、考えたようにモーターを動かしてみよう。主・態②

 

8 プログラミング教育との関連

本単元では主に、プログラミング教育のねらい「知識及び技能=身近な生活でコンピュータが活用されていることや問題の解決には必要な手順があることに気付くこと」について深めることをねらいとしている。プログラミングしながら、モーターを意図どおりに動かすことを通じて、プログラミング的思考を育むことをねらいとしている。

 

 

プログラミング教育コアカリキュラム(配当 2時間)

 

◎ 目 標

複数のセンサーを活用しながら、モーターを動かすプログラムを考えることを通して、身近な生活のなかで、プログラミングによるモーター制御によって人のために役に立っている技術がある、という見方や考え方をもつことができる。

 

◎ 展 開

 

学習活動主な発問(T) 予想される児童の反応(C)指導上の留意点
■前時までの内容を確認する。T これまで乾電池や光電池のつなぎ方で電流の強さや向きが変わり、それによってモーターの回り方が変わったことを学習したね。

今日はちょっと考えを広げて、モーターが生活のどこで役立っているかを考えながら、コンピュータに命令するプログラミングという技術でモーターをコントロールすることをみんなで考えていきたいと思います。

Tモーターを使った電気製品をあげてみましょう。

C  暑くなったら勝手について、寒くなったら止まる。

T それらのアイディアはいいですね、では、それを今日は作ってみましょう。

実際の扇風機をもってきて、モーターが身近なところで役立っていることに気付かせる。

 

 

グループの1セット、MESH、モーターとプロペラ、電池ボックス、IPADを配ります。

■本時の課題を知る。

便利な扇風機をつくろう

■「人がいるとつき、いないと止まる扇風機」プログラミングを考える。T どのブロックを使うか、どんな回路にするか、どんなプログラミングにするか、グループで話し合って作っていきましょう。また、できた班は、できてない班の手伝いをしてあげましょう。

C 「人感ブロック」が必要だ。

C 人を感知したらオン、感知しなくなったらオフにするといいね。

T いろいろな設定がわからなかったら、ヘルプを見ると、いろいろわかるよ。

 

T では、それぞれの班のプログラミングを発表しましょう。

「GPIブロック」のプログラム「電源出力」については、あらかじめ、オンとオフの二つをレシピに配列しておく。

実際についているプロペラが扇風機のように回るかをそれぞれ確認しながら発表させる。

 

■「もっと便利にするために他のブロックも使ってプログラミングしてみよう」T 今度は別のブロックも使ってもっと便利になるプログラミングを考えてみよう。

C 「温度・湿度センサ」が使えそうかな。

C 暑いとついて、寒くなったら止まる扇風機だね。

子供たちの自由な発想による、プログラミングを体験させてみせる。
■まとめをする

 

 

■ふり返りをする。

T 今日のまとめをしましょう。プログラミングで、いろいろな回し方ができました。これまで学習してきた電気のはたらきに、プログラミングを加えると、人の役に立つものがたくさん作れそうだな、ということが分かったと思います。

ではそれぞれ振り返りを書いてください。

 

実際にこの授業をやってみて感じたことですが、4年生にとって初めて、プログラミング教育のめあてを入れ込んだ授業だったわけですが、どの子も、目を輝かせて取り組んでいました。

同時に、理科の授業としてやるのは、やっぱり、こじつけだよなあ、という感じも、実はあったのですが、それは横に置いて、子供たちに「プログラミング」って何? と問うと、「コンピュータに命令すること」と答えた子がいて、なかなか、とも感じました。

 

そして思ったのは、やはり、このMESH と 内田洋行のプログラミングスイッチは最強だよなあ、ということでした。

子供たちは、こちらが、ひととおりのMESHの使い方を師範してみせると、そのあとは、ほとんど質問もなく、どんどんプログラミングして、実際に扇風機が意図通り回るかをチェックしていました。

最後の頃には、けっこう複雑なプログラムを作る子も出てきて、子供は侮れない、と感じたわけです。

ということで、

あまり指導案に拘らず、好きなようにプログラミングさせ、実際に扇風機を動かしてみる活動がけっこう有効と感じた実践でした。

 

授業に必要な準備及び実験道具

 

こんな回路をMESHセット分作っておきました。

 

プログラミングスイッチには、GPIOブロックをセットしておきます。

 

授業前のタブレット系の準備は以下です。

① タブレットの電源を入れ、MESHアプリを立ち上げる。

② タブレットとMESHブロックをペアリングさせる。

③ レシピ上に電源出力を2つ置き、ひとつはオンに、ひとつはオフにしておく。

 

 

ちなみに使いたいタグは、指でレシピ上に持ってきます。

そしてレシピ上でタグをクリックすると、命令をいろいろ変えることができます。

こんな感じです。

これはGPIOタグをクリックした場合です。

 

これはボタンタグをクリックした場合です。

 

 

 

ということで授業です。

最初にこのレシピを提示して、師範をしました。

 

 

ちなみに、タグの前の突起部分を手で引っ張り出して、違うタグの凹んでいる部分につけるとプログラムが出来上がります。

このプログラムは、ボタンが1回押されたら電源が入り、扇風機が回り、ボタンを2回連続で押したら、電源が切れ、扇風機が止まる、というものです。

これはまさにリモコンですね。

 

ちなみに、タグをレシピからなくすには、タグを手で触って、こうした画面を出し、右上の削除をクリックすればタグはなくなります。

 

 

 

授業実践

 

実は、この授業で作ってもらいたいプログラムは、こんな感じのものでした。

 

 

この授業の目標に戻ってみると、

 

「複数のセンサーを活用しながら、モーターを動かすプログラムを考えることを通して、身近な生活のなかで、プログラミングによるモーター制御によって人のために役に立っている技術がある、という見方や考え方をもつことができる。」

ということなので、

例えば、人がきたら点く、人がいなくなったら止まる、そうした扇風機なら、節電として、「人の役に立つ」ことになります。

また、気温がある温度まで上がったら点き、ある温度以下になったら、止まる、そうしたことも「人の役に立つ技術」です。

 

それを、子供には、「便利な扇風機をつくろう」というめあてに落とし込んであります。

 

すると、そういうことは、実は、今、普通に生活に入り込んでいることに子供たちは気付きます。

普通に、今、自分が学習しているプログラミングは、生活に直結していることに気付きます。

そこがこの授業のねらい、なのです。

ということで、例えば、こういう設定も考えられます。

 

 

 

役立つ扇風機という意味では理にかなっています。つまり暑くなったら点く。涼しくなったら止まる。そういうプログラムです。

ちなみに、これがきちんと作動するかを確かめるためには、温度・湿度センサーをクリックして、詳細を表示させておくといいです。

こうして、例えば、温度・湿度ブロックのセンサー部分(黒い部分)を握っていると、体温によって、グラフの現在温度が上がっていくのがわかります。そして30度のところに来ると、自動的に扇風機が回り出します。

 

 

とはいえ、ここで、子供たちは疑問を持ちます。

 

このプログラムでは、人がいなくても、温度が上がると勝手に扇風機が回り出しちゃうから、結局、節電にはならないのではないか、という疑問です。

じゃあ、人感センサーもこのプログラムに入れてみよう、となります。

そうして出来上がったのが、こうなります。

 

これなら大丈夫だ! と子供たちはやってみます。

 

でも。。。。

 

これだと、人に感応して、温度が上がらないのに、扇風機が回り出してしまいます。

ここで、

あれ?

 

となります。

この繋ぎ方(プログラム)では、人感センサーと温度・湿度センサーが、同列なのです。

つまり、どちらかが条件を満たすと、扇風機が回り出してしまうのです。

プログラムの言葉でいえば、「or」 なのです。

 

これじゃあ、使えない。

 

となります。

 

では、どうしたらいいか、となります。

 

ここで、ロジックから「and」のタブを画面に持ってくることを指示します。

そして繋ぎます。

 

画面ではこうなります。

 

これで扇風機がどう回るかを確かめます。

 

すると、、、

 

人感センサーだけでは扇風機は回りません。

そこで温度・湿度センサーを握って温度を上げていきます。

温度が上がっていきます。

その間も、人感センサーは、反応している印、白く点滅しています。

けれど、まだ回りません。

いよいよ温度が30度になりました。

すると。。。

扇風機が回り出しました。

 

こんなふうに、二つの条件が揃わないと動作しない、というプログラムは、or ではなくて、and なんだ、ということを、

プログラミングの条件分岐の基礎を学んでいきます。

 

と、まあ、こんなMESHを使った授業実践でした。

参考になれば幸いです。

 

 

 

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